今回は、走ってもスピードが伸びない、投げても球速が出ないなど、力が伝わらないと感じたことる人に向けた内容です。

このブログでは、運動機能向上の根幹である骨盤の中立位、背骨、肩甲骨の3点を整えることで、単なるテクニックや筋トレでなく運動機能を根本からレベルアップさせるための情報を発信しています。
今回はスポーツが上手い人は、地面からのパワーを使っているという理由について解説します。

努力と根性だけで大学野球明治神宮大会の4番打者に登りつめた元肥満体型の私。プロ入り選手の「疲れない・痩せている・上達が早い」という特徴に衝撃を受け、引退後、医療従事者の妻と出会い、身体構造と運動機能を学びました。その秘密が骨盤を土台とする構造にあることに気づき、『疲れず、痩せて、上手くなる』をテーマに情報を発信中です。
なぜ地面の力がパフォーマンスに直結するのか

まず前提として、スポーツが上手い人は、地面からのパワーを下半身、上半身、手先へと伝達する能力が高いという特徴があります。
ここでいう地面からのパワーとは、地面反力のことです。
地面反力ニュートンの第三法則とは?
地面を踏めば、同じ大きさの力が“反作用”として返ってくる力のことです。
つまり、何かに力を加えれば、必ず同じ力で押し返されるという法則です。
スポーツが上手な人は、この力を全身につなげていくことで、大きなパワーを発揮できているのです。
歩行でわかる地面反力の使い方

私たちが歩くとき、足は何をしているかをイメージしてみてください。
- 地面に足を踵から付いて爪先で地面を押す
- その反動で後ろ足が前に運ばれて、その足を地面に踵から付いて爪先で地面を押す
という地面からの反発を受けるという作業を繰り返しながら歩いています。
その動作を速くしたのがランニング、ダッシュになり、私たちの動きは常に地面からの反発を受けながら生活しているのです。
ではスポーツでは?

スポーツは、
- 走る
- ジャンプする
- 投げる
- 打つ
これらすべての動作は、
「地面に力を加え → その反力を全身でつなげて → 手や足先で出力する」
という流れで成り立っています。
- しゃがんで地面を思いっきり足で押した方が高くジャンプができる
- 助走をつけて地面を蹴って投げたほうが速く遠くに投げられる
- 踏み出した足で素早く地面を押して反発を受けながら走った方が速く走れる
など運動神経の良い人は、動作一つ一つに地面からのパワーを使うという意識を持っていたり、それが自然とできてしまっているということに加え、そのパワーを全身で使いこなせるボディバランスが整っているこということです。
つまり、地面からのパワーを使うには、そのパワーを身体で上手く利用できる動作や身体の構造を修得しなければならないということです。
フォームだけ真似しても上手くならない理由
私は、紹介文のとおり大学野球で全国の舞台に立った経験があります。
私はもっと上達したいし、とにかくホームランが打ちたいという気持ちが強く、松井秀喜選手や高橋由伸選手のフォームを取り入れるなどしてバッティングの研究をしていました。当時はYouTubeが開始され始めた頃で、バッティングスイングの縦振り、横振りなどが流行り始めた頃でした。
なので必死で、スイング軌道、フォームなどの見た目の形にこだわってしまい、打球は全く飛ばなくなり、長期スランプに陥ってしまったのです。つまり、打球を飛ばすためのバットを最速に加速させて向かってくるボールに対してスイングするという根本、物理の原則を見失っていたのです。
スイング動作は力の最終形にすぎない
結論、有名選手のバッティングや投球フォームを真似しても力の発揮はできません。
それは、力の作用が異なっているからです。
バッティングに例えると、

画像のように、地面から受けたパワーが回転動作に変化し、スイングになる
つまり、スイングは地面からのパワーの最終形態であって、その工程が違えば、形は同じであってもスイングの威力は異なり、参考にした選手と同じ結果は得られないということです。
地面の力を最大限使うのために必要な身体構造
結局のところ、いくらフォームを意識しても地面からのパワーを身体で連動させながら発揮することができなければ、モノマネになってしまいます。そうならない為には、地面からのパワーを下半身→上半身→手先伝達させる必要があるこということです。
その為には、地面からのパワーを伝達させる通り道を身体の内部で整備する必要があります。その答えが、骨盤を中立位に整える、背骨、肩甲骨の可動性、安定性を高めることです。
まとめ:まずは歩行から地面を押す感覚を掴もう
今回解説した内容をまとめると、
- スポーツが上手い人=力の発揮が上手い=地面のパワーを使えている
- この事実を理解せずに、スポーツが上手い人のフォームを真似てもモノマネにしかならず、結果は出ない
- 歩く時から足を地面に踵から付いて爪先で地面を押す。そして後ろ足を前に運ぶという地面のパワーを感じることからがまず第一歩
- そのパワーを効率的に発揮できるための身体構造が、骨盤の中立位、背骨、肩甲骨の可動性、安定性になる
ということです。
私も今考えるとバッティングにおいては地面をえぐるようなイメージで軸足を回転させていて、そのパワーがバットスイングに伝わっていたから、他の選手よりも打球が飛ばせたのではないかと考えています。
その為にはまずエネルギー伝達の効率を高める身体の構造を整えることが最優先で、ストレッチポールを用いたエクササイズをオススメしています。
まずは「歩きながら地面を押す感覚を掴む」こと、そこから始めてみてください。一緒に頑張りましょう!