
どんなに練習しても、フォームが安定しない、全身がバラバラに動いてしまう、上達が感じられない
それなのに、練習していないセンスの良い選手が試合に出るのが悔しい…そんな悩みを持っている方への内容です。
このブログでは、運動機能向上の根幹である骨盤の中立位、背骨、肩甲骨の3点を整えることで、単なるテクニックや筋トレでなく運動機能を根本からレベルアップさせるための情報を発信しています。
今回は、スポーツ上達の土台である「骨盤の中立位の重要性」について解説します。
自己紹介

努力と根性だけで大学野球明治神宮大会の4番打者に登りつめた元肥満体型の私。プロ入り選手の「疲れない・痩せている・上達が早い」という特徴に衝撃を受け、引退後、医療従事者の妻と出会い、身体構造と運動機能を学びました。その秘密が骨盤を土台とする構造にあることに気づき、『疲れず、痩せて、上手くなる』をテーマに情報を発信中です。
骨盤の中立位がスポーツの上達の土台である理由
まず、スポーツは、地面から受けたパワーを骨盤→背骨→肩甲骨→手先へと移動させながらパワーを発揮させる構造です。(野球、柔道、ゴルフなどスポーツ全般)

骨盤とは?
骨盤とは、身体の中心部にある骨格の一部であり、上半身と下半身をつなぐ「土台」のような役割を果たしています。
機能としては、
① 体重の支持・分散
② 内臓の保護
③ 動作の起点
④ 姿勢・バランスの制御
が挙げられ、身体の中枢土台となります。

骨盤の中立位とは?
骨盤が前傾も後傾もしすぎず、背骨・股関節と垂直に繋がっている状態。
この“位置”がズレると、上半身も下半身も連動が崩れ、正しい出力ができなくなります。
骨盤が前傾しすぎるとそり腰の姿勢、後傾しすぎると猫背の姿勢になりやすくなります。そうなると、身体全体が連動せず、腰などの一部にだけ頼るようになり、パフォーマンス低下を招きます。
イメージとしては、自分の身体を真上から押さえつけられたと仮定した場合、
中立→全身に負荷を分散できる
前傾(反り腰)→腰に負荷がかかる
後傾(猫背)→首、肩、膝に負荷がかかる
のような感じです。

なぜ中立位がスポーツに重要なのか?
① 軸が安定する
骨盤が中立だとおへそ下のインナーマッスルが効率よく働くため、体幹が安定し、スイングやキック、ジャンプ動作で「ブレない」軸が生まれる。
② エネルギー伝達がスムーズになる
スポーツは地面からの反発力を上手く使うことで、高いパフォーマンスが発揮されます。その前提として、
脚→骨盤→背骨→肩甲骨→腕
へと地面からの反発を無駄なく伝えることが可能になる。
③ 反応速度が上がる
骨盤が中立位に整うことで、骨盤、背骨、肩甲骨が連動しやすくなり、インナーマッスルも活発に活動することで、甲骨神経伝達のロスが減り、反射・判断→動作のスピードが向上する。
④ 怪我予防にもなる
中立位が崩れると、猫背や反り腰によって、身体が連動しづらくなり、肘、肩などの部位に過度な負担が生じるなど、成長期の障害や慢性痛の原因になる。
要は、骨盤中立位を保つことが、身体の連動の土台であり、これらが崩れているため、練習をしていても身体全体が連動していないため、練習量の割にパフォーマンスが発揮されていなかったり、良い時と悪い時の差が激しかったりするのです。
逆にセンスが良いとされる選手たちは、ユニフォーム姿、立ち姿で体勢が崩れている選手はほとんどいませんし、彼らは、すでに連動する身体を手にしているので、練習量が少なくてもパフォーマンスが発揮できるし、疲れにくい、その上、どんどん上手くなるというサイクルとなっているのです。
上達には厳しい練習、筋トレ量ではなく身体の根本である”骨盤”だった
私は、紹介文のとおり大学野球で明治神宮大会という全国の舞台で2度4番バッターとして出場していますので、一般的に考えると、野球エリート、実際それでもセンスあったんでしょ?と思われるかも知れません。
しかし私は、小学生の頃から今まで逆上がりできたことないし、妻からは、MAOくん野球上手い選手には見えないねと言われるなど、結果と周囲の期待の割に、運動神経、センスがないことをネックに感じていました。(妻にはこの能力で大学野球まで続けられたことが奇跡で尊いことだと言い続けています)
そして野球を引退後、プロの世界に入る選手は、なぜ身体が連動してスムーズな動きをしているのか、ずっと疑問に思っていました。
プランクでインナーマッスルを鍛えたり、筋トレしたりと野球の練習のみならず、いろんなトレーニングを取り入れていましたが、それでも中々パフォーマンスが安定しなかった理由は、私の
骨盤が後傾していて、猫背体型だったから
です。
冒頭で説明しましたが、スポーツは、地面から受けたパワーを骨盤→背骨→肩甲骨→手先の上半身にパワーを伝えるというものですが、後傾していた骨盤と猫背に曲がった背骨、巻き肩に張り付いた肩甲骨が阻害して、足、手先だけを頼りに野球をやっていたことがわかったのです。
例えると、パンパンに膨らませたはずのジェット風船がいざ飛ばす時にほとんど空気が抜けてしまって全然飛ばないというようなもの。
とても勿体無いですよね。
そこで、私が取り組んだ中でも最速で効果を発揮した骨盤の中立位を保つためのエクササイズを伝授します。

ペルビックティルト(骨盤前後傾エクササイズ)
骨盤の感覚を養うベーストレーニング
- 仰向けに寝て膝を立てる(両手はお腹の上)
- 息を吐きながら骨盤を後傾(腰を床につける)
- 息を吸いながら骨盤を前傾(腰を軽く浮かせる)
- ゆっくり10回、中間=中立位を探す

ドローイン(腹横筋の活性)
腹横筋が働くと骨盤が自然と安定して中立に近づく
- 仰向けや四つ這いで、息を吐きながらお腹を薄く凹ませる
- 腰が反らないように注意しつつ、10秒キープ
- 5回×2セット

キャットアンドカウ(背骨と骨盤の連動)
骨盤と背骨の連動性を高め、中立位を見つけやすくする
- 四つ這いで背中を丸める(キャット:後傾)
- 背中を反らす(カウ:前傾)
- 数回繰り返し、中間ポジション=中立を意識する
これらエクササイズで、骨盤の中立位を感じられることがまず第一歩です。
まとめ:スポーツの上達は骨盤を整えてから

今回の記事をまとめると、
- スポーツは、地面から得たパワーを下半身から上半身に伝えることが重要
- その下半身の土台となる骨盤の中立位を保つことができなければ、背骨、肩甲骨、手先とパワーが伝達しない
- まずは骨盤の中立位を感じるためのエクササイズから始める
という内容です。
まずは、土台(骨盤)を整える→背骨、肩甲骨の可動性を高めるこれが身体機能を高める構造です。
それが整っていなければ、車のギアなどの部品が整備されていないのに無理やりエンジンをかけて走らせようとしていることと同じですから。効率良く力を発揮できるわけがありません。
でも巷では、そういう知識を知らずに結果が出にくい状態でハードな練習をこなす、それが青春みたいな風潮もありますし、考えてスポーツをする機会を奪われている状態なんです。
ですから、今すぐ見直すべきは筋トレや練習量ではなく、骨盤のポジションです。
この上達のきっかけである骨盤を中立に保つことが土台となり、背骨、肩甲骨を整えていくことでスポーツの上達速度はどんどん加速していきます。
一緒に頑張っていきましょう!